製作事例のご紹介です。今回はお客様がご自身で作成された鞘下地を
お預かりし,塗の作業をご依頼頂きました。
当店のTOP10に入るお得意様なのですが 主に部材の購入を頂きます。
好きが高じて鞘製作をはじめて現在は研ぎの修行もなさっています。
柄巻きもご自身でなさるそうです。
現在70代中半の方なのですが 開始した時期からすると
物凄い速さで習得なさっています。本業が大工さんなので
木の扱い 道具にも長けていて 鞘を見て鞘師さんが「丁寧に作ってあるね」
と太鼓判を押すくらいの腕前です。
塗は「乾漆黒石目塗」をご希望されました。もともと高価な塗ですが
近年さらに高騰しています。期間もかなり要します。
塗膜が強く滑りが良いのが特徴で 居合道に最適な塗です。
ベースはカシュー(代用漆)を使用していますが最終の艶出しに
本漆を擦り込むので漆の香りがします。それで本漆の石目と勘違いなさる方があります。
塗しろ(金具と木部の段差)がはがき1枚程度つけてありましたが
近年は塗の仕様が少し変わったのでコピー用紙1枚分が適当となりました。
肉を盛るなど修正を追加で行いました(加算がありました)
最後に個人名を伏せて明細を公開いたします。
コジリや鯉口に金具が付属しましたので際の処理が必要なので加算がありました。
下地の段差調整も必要でした。
全てが整っている状態で受け取れれば修正費用は発生しません。
分業が進んでいますので過去は塗師さんが手直ししていた鞘の修正を
鞘師さんにお願いしています。どうしても中間の費用が発生します。
今後 鞘を持ち込みでご依頼頂く場合は修正の有無にご注意ください。
※2023.8.21 現在の参考価格となります。
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