コラムとして最初に書きたかった関市について少し。
日本列島のほぼ中心中部地方の海なし県、岐阜県。
戦国期は美濃國(濃州)と呼ばれていました。最初に刀造りが始まったのは
いまから約700年前-鎌倉時代に「元重」が移り住んで以降です。
良質な焼刃土、松炭、長良川津保川の水、ほかにも鞘材の朴の木、鞘塗りの漆、等
刀鍛冶にとって恵まれた環境に、やがて多くの鍛冶が集う土地となりました。
刀装の職人もあつまり、関は五箇伝に名を連ねます。
関を一気にメジャーに押し上げたのが「関の孫六」(二代目兼元)です。
彼は「四方詰め」と呼ばれる製法を考案し実現しました。特性の異なる
玉鋼を断面から見て4方向に配置し、中央に芯金を入れます。
切れ味鋭い刃金だけで刀を作っても、
柔軟性に欠けるうえそんな鋼材は希少で数が作れません。
いかにコストを抑えて材料も大切にしていたかがうかがえます。
「四方詰め」は大変に難しい技法で現在では限られた刀鍛冶さんが行っています。
わたくしの友人「二代目兼正」氏もその一人です。
当店では刀を扱う予定ではないので刀の話はこのあたりで。
次回以降に、近代の刃物、関市の歴史について書いてみたいと思います。
Comments